ライフハック

ポイント還元と実質値引きを同一視しがちなワナ

こんにちは、ひよこ(@yutotte_nambo)です。

先日PayPayの100億円あげちゃうキャンペーンへの直前対策の記事を書きました。

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100億円バラマキ直前対策「PayPay」で1,500円分もらっておくこんにちは、ひよこ(@yutotte_nambo)です。 最近は決済アプリがホットトピックですよね。 そんな中でも先日100億円...

PayPayユーザーなら誰でも実店舗決済で20%還元なんて美味しすぎる!実質20%割引だ!と無意識に変換されてしまうことも在ると思います。

今回の記事は20%還元 ≠ 実質20%割引ということを事細かく確認しましょうという記事です。
そりゃそうだという話ですが、思っている以上に20%還元と20%割引は天と地ほど離れています。

そこで普段は気にかけないような騙されがちな数字のワナについてお話したいと思います。
※消費者が勝手に騙されてしまうのですが…。マーケティングという面では企業側が騙しています。

数学に明るい人は読み飛ばして構わない記事になっています。
また行動経済学に詳しい方も読まなくて良い記事です。

20%還元は実質20%割引ではない

口酸っぱく言いますが、20%還元 ≠ 実質20%割引です。

答えは20%還元 = 実質17%割引となります。

以下、答えに至る説明をします。
また行動経済学という合理的でない選択に陥ってしまう心理状態についても軽く触れる予定です。

2つの理由が挙げられる

主に2つの理由から成ります。

  • そもそも計算すると大きな差がある
  • 現金とポイントでは価値が異なる

ということです。

計算による差

まずは実際に計算して確認します。

20%の割引は単純に20/100 = 0.2 = 20%の割引です。

支払いの割合で話を進めると、80/100 = 0.8なので8割の価格で買えたとも言えます。

 

一方、20%の還元に置いて割引を考える際は、
20/(100+20) ≒ 0.17 = 17%の割引です。

支払いベースで考えると、
本来の価格(100%)に20%分のポイントが上乗せされたものを、本来の価格(100%)で買えたので、
100/(100+20) ≒ 83% で買えたという解釈ができます。

大きな差を確認するためにプロットしました。
Numbersには慣れていないくせにNumbersでのグラフ作成です…。

  • 横軸:還元率
  • 左縦軸:見かけの割引率と真の割引率に対応
  • 右縦軸:両者の割引率の差
買い物のワナのグラフ

今回の還元率20%の例でいうと、
見かけの割引率は20%、真の割引率が17%に相当します。
還元率20%に置ける乖離が3%程度と分かります。

3%の乖離というのは大きいと思います。
5万円の商品を購入した際には、1,500円分も勘違いしている計算です。

グラフには50%還元まで載せました。
なかなか無いですけど、半額還元を稀に見るので…。
実際には33%程度の割引に過ぎません。

ケチかも知れませんが、個人的には1%以上の乖離でも大きいと思います。
なぜ1%を挙げたかと言うと、小売店やクレカなどの通常のポイント還元が1%程度だからです

乖離が1%程度になる還元率の目安は10〜11%です。
この10%を堺に疑いに掛かると良いでしょう。

ポイントの価値

こちらは端的に言って、ポイント価値 ≠ 現金価値 です。

例に上げてしまい申し訳ないですが、
Suica1,000円分と現金1,000円分どちらが欲しいですかという話に尽きます。

なかにはSuicaを選ぶという方がいるかも知れませんが、多くは現金を望むのではないでしょうか。
なぜなら、現金は利用場所が日本国内で、発行機関も国だからです。
※硬貨と紙幣では発行元が異なりますが、実質的に国といえます。

金券ショップを想像しても良いかも知れません。
1000円分のギフトカードが990円で売られていたりするので。

さらに言うと、ポイントに関しては付与されてから次回利用時までのタイムラグが生じます。
その間に運用することも出来ずに1000ポイントは来月でも来年でも1000ポイントのままです。
最近はポイントを運用するサービスが拡充されつつありますが、やはり現金には敵わないでしょう。

各社ポイントカードを厳密に現金換算することは難しいですが、
日本において間違いなく、現金 > ポイントでしょう。

納得できる言い訳もある

行動経済学がポイント還元に誘導するので、我々にも言い訳の余地はあります。
金銭ベースで考える合理性に心理学が加わることで、損得の分岐点がズレてしまうわけですね。

主に

  • ヒューリスティック
  • フレーミング
  • 保有効果
  • メンタルアカウンティング

などが考えられます。

ヒューリスティック
簡単に言うと「経験則に基づく直感的な意思決定をしようとする心の動き」です。
同じ20%なら割引だろうが還元だろうが良いではないかという心理状態になります。

フレーミング
「問題の提示方法によって、思考に不合理な影響を及ぼす心理効果」です。

物事を理解する際、無意識のうちに何らかの解釈フレームを使っていることに影響します。一言で色眼鏡です。

保有効果
自分の持っているものは価値が高いと評価し、1度手に入れたものは手放したくないという心理を指します。
会計の際に保有ポイントを使わずに貯めがちですよね。

メンタルアカウンティング
金銭に関して合理的に判断することなく、狭いフレームの中で判断してしまうことをいいます。人は心の中にいくつかの会計勘定を持ち、お金の入手方法に応じて、お金を仕分けする心理傾向があるためです。
付与されたポイントは心の中で別勘定に入ってしまいます。
ギャンブルで稼いだお金だからパーッと使おうというのも別勘定です。ひよこはギャンブルをしませんが…。

おわりに

いかがでしたか。

還元という単語が飛び出してきたら、この記事を思い出していただけたら幸いです。
他にも日常に潜む数学のワナは少なくありません。
簡単な算数や金融、心理学を織り交ぜた今回のような記事をまだまだ書きたいと考えています。

日々の直感的な行動も大事ですが、たまには

立ち止まり疑って掛かるという姿勢は大事だと思います。
研究者のような人たちだけでなく、誰にでも利用できる汎用的なスキルですよね。

以上、ひよこ(@yutotte_nambo)でした。