書評

【書評】これから仮想通貨の大躍進が始まる! を読んでナンボ!

こんにちは、ひよこ(@yutotte_nambo)です。

今回はこちらの本をご紹介します。
一部上場企業のSBIホールディングス社長の北尾吉孝氏の著書です。

「これから金融の世界では、仮想通貨とその基盤技術であるブロックチェーンによる〝革命的〞な変化が起きます。それに伴い、私たちの日常生活も劇的に変わるでしょう」

世間を騒がせているビットコインを始めとする仮想通貨の今後はどうなるか、そして、仮想通貨の根幹技術のひとつであるブロックチェーン技術がどう我々の生活に変化をもたらすかが書かれています。

ザックリとした解説

こんな人におすすめ

  • 金融業界関係者
  • 資産運用を考えている人
  • 技術者
  • 新しいもの好き
  • SBIグループを知りたい人

ざっくりと挙げてみました。

金融関係や投資家は新しい資産や決済として目を光らせておくべきです。
ブロックチェーン技術に関しては技術的な話というより、実生活での応用の話が多いですが技術者の方も読んでおくべきだと感じました。

最後にSBIグループを知りたい人としてピックアップした理由は、本書の内容で頻繁にSBIの子会社が例として登場するからです。
普段、住信SBIネット銀行やSBI証券を使っている人も目を通しておいても良いのかなと感じました。

ひよこの読者としての立場は新しいもの好きの投資家です。
また、SBIのサービスを利用しているので、今後もお世話になる会社として相応しいかどうかを見極めてる材料のひとつとしても参考にしました。

全体をザックリ解説

全6章の構成です。

第1章 「ブロックチェーン革命」によって私たちの生活はどう変わるのか?
第2章 仮想通貨は、本当に「決済通貨」になれるのか?
第3章 ビットコイン VS 中央銀行の「デジタル通貨」
第4章 「新しい時代の経済(フィンテック2・0)」の全貌
第5章 仮想通貨が地域経済を活性化する
第6章 SBIグループにおける「フィンテック1・0」から「2・0」への進化

ブロックチェーン技術は金融分野のみならず、すべてのインフラ、プラットフォームにも溶け込む可能性がある。
これが著者がみなさんに知ってもらいたいことだと感じました。

契約の条件確認や履行、取引のプロセスを自動化できるスマートコントラクトについても述べています。不動産や小売、医療や法務の分野まで波及する可能性もあります。

ブロックチェーン技術の可能性や未来を示唆する実例を挙げています。
日本の例では決済用コイン「Sコイン」や送金アプリ「Money Tap」、世界的な例ではリップル社のネットワークを用いた送金です。

ビットコインを始めとする仮想通貨の普及までの課題や問題も挙げられます。
そして、法定通貨までもがデジタルになる可能性があります。

SBIグループの拡大も語られています。
フィンテック1.0から2.0への進化というのも、2015年の1.0である金融生態系の完成、AIやビッグデータ、RPA等を取り込んだ1.5、そしてブロックチェーンが中核をなす2.0へのジャンプアップが図られています。
現在は1.5に在るようです。

気になったポイントをピックアップ

いくつか気になった点を挙げます。

銀行や証券会社といった金融機関だけでなく、現在インターネット上でプラットフォームを提供している会社など、価値の交換を仲介している旧態依然とした会社はなくなっているかもしれません。

こちらは仲介コストが限りなくゼロに近づくことで起こり得ます。
手数料ビジネスが成り立たなくなるわけですね。
ブロックチェーンの真の価値は”価値の交換”に集約されていると感じます。

 

欧州中央銀行(ECB)の総裁であるマリオ・ドラギ氏は、「ビットコインの禁止や規制は実質的に不可能である」と述べています。

これはインターネットを潰せないのと同様に不可能であるということです。
更に仮想通貨全体の時価総額が2018年10月時点で約24兆円あることから、潰すに潰せない状況になっています。2008年のリーマン・ショックのように何らかの形で支援が事前に入ることも在るのではないでしょうか。

 

歴史をみると、 通貨のデジタル化は当然の帰結 だと考えます。  なぜなら、通貨は、その時代の最先端技術によって製造されているからです。

これはまさしくそのとおりでしょう。
貝殻、硬貨や紙幣が物語ってくれます。
その先の新しい形としてデジタル通貨である仮想通貨の台頭は十分考えられますし、必然と言っても過言ではないでしょう。

 

ICO(Initial Coin Offering)やTAO(Tokenized Asset Offering)を発行から流通まで一貫体制で支援し、信頼できるトークンマーケットを作りたいと考えています。

こちらはSBIグループの展望として書かれたものです。
正直、こちらの一文が最も気になりました。
ICOやTAO周りが整備されることで、既存の株式も仮想通貨に置き換わる可能性がより高まります。
そして、取引所のシステムが変わることで、より仲介コストが下がります。
取引所の関連事業の規模もかなり大きいですし、インパクトも非常に大きいでしょう。

おわりに

ブロックチェーンや仮想通貨の未来について知りたい。
特に一部上場企業でネット金融業界を牽引する社長目線からの実際を知りたい。

そんな方にはぜひ一読することを勧めます。