こんにちは、ひよこ(@yutotte_nambo)です。
2018年はQRコード決済含むキャッシュレスが世間を騒がせましたね。
来年10月1日からの消費税増税と軽減税率導入に伴う「ポイント還元」と「中小小売店舗向け決済端末導入支援」と国を挙げたキャッシュレス推進が予定されているほどです。
ところで米国は小切手文化からクレジットカードなどの後払い文化がありますが、欧州でのキャッシュレスといえばデビットカードが主流です。
日本はどうかというと未だにキャッシュレス後進国に位置づけられています。
経済の効率化を背景に先述した国策として、キャッシュレス決済に対して税金を充てて還元する予定です。
とはいえ審査が通らない、使い過ぎなどの理由からクレジットカードを持てない/持たない方も少なくありません。
そこで今回はVisaプリペイドカードのバンドルカードをご紹介します。
未インストールの初心者から普段遣いのユーザー向けの記事です。
基本的な使い方を網羅しているので、ブクマしてQ&A代わりの利用も推奨します。
バンドルカードとは
カード概要
バンドルカードとは株式会社カンムが提供する誰でも作れるVisaプリペイドカードです。
2016年9月からカード発行が開始されました。
リリースから2年の累計ダウンロード数は70万を超えています。(2018年9月時点)
利用者の多くは10〜20代の若者です。
アプリから1分でネットショッピング専用のバーチャルカードが発行され、使う分のお金をチャージして利用できます。
入力する個人情報が「生年月日」「電話番号」のみで始められます。
さらにリアルカードを発行することで街中のお店での買い物も可能です。
競合サービスとしてKyashやLINE Payが挙げられますが、バンドルカードは支払い手段のチャージチャネルの豊富さが他社サービスとの差別化のポイントとなります。
特に「ポチっと」チャージが最たる特徴でしょう。
各社提供しているリアルカードを発行しており、ネット店舗ならば世界中で使えるものの、実店舗では国内でしか使えず、ホテルやガソリンスタンド等では使えません。
一方、バンドルカードにおけるリアルカード「バンドルカード リアル+」は海外の実店舗やホテル、ガソリンスタンドでも利用可能です。
提供元である2011年に設立された株式会社カンムは”自分らしくお金を使うことのできる世界”を目指しています。
2013年から大手クレジットカード会社と提携し、Card Linked Offerを運営しています。CLOは、クレジットカード情報を用いたターゲティングと、導入設備が一切不要なことが特徴のカード決済インフラを活用した店舗への送客手法です。
代表取締役社長の八巻渉(@8maki)氏は慶應義塾大学在学時に、ウノウ株式会社でのアルバイトや産学連携企業でのデータ解析エンジニアの経験を積み、卒業後にもエンジニアとしての研究開発に携わり、株式会社カンムの設立に至ります。
ちなみにウノウ株式会社はメルカリ創業者の山田進太郎氏が設立した会社です。
メルカリについて知りたい方は過去記事を参考にして下さい。
5つのポイント
チャージ経路が豊富
バンドルカードの最たる特徴のチャージ経路ですが、サッと挙げても
- ポチッとチャージ
- ドコモ払い
- コンビニ(セブン銀行ATM含む)
- ネット銀行
- 銀行ATM(ペイジー)
- クレジットカード
- ビットコイン(bitFlyer含む)
とバラエティに富んでいます。
与信に基づくポチッとチャージだけでなく、キャリア決済やビットコインでの入金が可能なところがユニークな点です。
他には住信SBIネット銀行やジャパンネット銀行などのネット銀行に対応している点も優秀でしょう。
いくつか気になったチャージ方法の詳細については後述します。
与信審査が不要
これはプリペイド全般に言えますが、クレジットカードのように審査不要で開始できるところは大きいでしょう。
特に、未成年や定年退職後のシニア、スタートアップにお勤めの方には利便性が高いです。
Visaブランドで利用できる店が多い
プリペイドVisaカードなので、国際ブランド最大手のVisa加盟店での決済が可能です。
ネット店舗ではカード決済しか取り扱わないというところも多いので、やはりクレジットカードを持てない方々には特にオススメのカードといえます。
実店舗よりネット店舗の方が安いことに加えて、代引き手数料を支払いたくないという理由もありそうです。
スマホ利用に最適化
バンドルカードのUIはシンプルです。
タブは「明細」「カード」「チャージ」のみで分かりやすく、利用したいサービスに直ぐアクセスできます。
更に言ってしまうとアプリ内で管理すべてが完結します。
アカウント登録はもちろん、カード発行の手続きや利用の一時停止すら可能です。
入会費・年会費が無料
基本的には決済や利用料が無料です。
ただし一部、与信を利用するポチッとチャージやドコモ払いでは別途手数料が掛かります。
クレカに紐づけた決済・送金サービスでは無料であることが多いですが、コンビニや銀行からのチャージも入金手数料が掛からないというところがポイントです。
カードを持っていない未成年でもサービスを利用しやすくなります。
以前はカードを4ヶ月間利用しないと、口座維持費として月100円が引かれていましたが、2018年7月から撤廃されました。
バンドルカードの種類と特徴
インターネット専用のバーチャルカードと、リアルのお店でもインターネットでも使えるリアルカード、更に利用できるお店が多いリアル+の3種類のカードがあります。
それぞれに残高やチャージの上限、そして決済の幅などが違うので、紹介していきます。
- 有効期限は5年
- 残高の限度額は10万円(リアル+は100万円)
有効期限内で100万円を超える場合は、バンドルカードを更新することで継続して使えます。
バーチャルカードとリアルカードの違いは、チャージや残高において顕著です。
さらに後述するように決済可能な店舗の違いもあります。
決済
限度額を確認
決済限度額は残高の上限まで可能です。
残高上限がカードのランクに依存するので、リアルカードを有効化するだけで買い物の選択肢の幅が広がります。
決済ができるお店
バーチャル | リアル | リアル+ | |
リアル店舗 *1 | 不可 | 国内のみ可能 レシート印字はクレカと同様 | 国内外で可能 *3 レシート印字はクレカと同様 |
ネット店舗 *2 | 世界中で利用可能 *3 | 世界中で利用可能 *3 | 世界中で利用可能 *3 |
リアルとバーチャル問わず、現金との併用はできません。
その他のクレジットカード、プリペイドカード、電子マネーなどとも併用不可です。
- 一回払いのみ
- カード利用時に支払額が確定しないサービスには利用不可
- 一部のサブスクリプションでは使えない可能性がある
という条件があります。
カード利用時に支払額が確定しないサービスについては、一部宿泊施設やガソリンスタンドなどが挙げられます。
リアル+であれば、一部宿泊施設とガソリンスタンドでの利用が可能です。
ただしこの場合には、一時的に決済額より多く残高が減り、後日差額等の処理がされます。
簡単に言うと、デポジットを取るという話です。
- 宿泊施設:25,000円(利用翌日から11日前後)
- ガソリンスタンド:8,000円(利用翌日から7日目)
稀有なケースなので詳細は割愛しますが、公式サイトQ&Aを参考にすると良いでしょう。
それら以外の使用できない店舗も公式サイトQ&Aに報告されている場合があります。
*1 リアル店舗
KyashリアルカードはICチップ非搭載のため、暗証番号を要する決済には使えません。
*2 ネット店舗
支払い名義人の欄には、[姓:VANDLE][名USER]と入力します。
3Dセキュアが要求されるサイトにも利用できません。
*3 外国為替
為替レートは加盟店が独自に定めるレートでの換算です。
それとは別に海外サービス手数料4.5%が加算されます。
チャージ
各種カードの上限
バーチャルカードとリアルカード「リアル」「リアル+」では、チャージの制限が異なります。
リアル+での突き抜け方が凄いですね…。
バーチャル | リアル | リアル+ | |
1回のチャージ上限 | 3万円 | 3万円 | 10万円 |
月間チャージ上限 | 12万円 | 12万円 | 200万円 |
有効期限内の チャージ上限 | 100万円 | 100万円 | 上限なし |
チャージの経路
バンドルカードはチャージのチャネルが豊富です。
チャージする場合には「チャージ」タブに表示される一覧から、それぞれの入金方法を選び、指示に従います。
クレジットカード経由のチャージだと、クレカのポイントが付くので最もお得です。
他サービスと類似したチャネルとして、セブン銀行ATM、コンビニ、銀行ATM(ペイジー)チャージからの入金にも対応しています。
クレカ | セブン銀行ATM | コンビニ | 銀行ATM(ペイジー) | |
最低入金額 | 1,000円 | 1,000円 | 1,000円 | 1,000円 |
入金単位 | 1,000円単位 | 1,000円単位 | 1,000円単位 | 1,000円単位 |
特徴 | 紙幣のみ | ファミマ、ローソンほか対応 |
経路に依らず、1,000円からチャージ出来るところはバンドルカードの強みのひとつです。
この他にバンドルカードを象徴する
- ポチッとチャージ
- ドコモ払い
- ビットコイン
をそれぞれ紹介します。
ポチッとチャージ
2018年4月にリリースされたサービスです。
バンドルカード新規発行からチャージまでが180秒で完了します。
12月30日現在、チャージできる上限は2.5万円です。
1回の申し込みの最低金額は3,000円で1,000円単位の申込みとなります。
翌月末までの好きなタイミングに支払うことが可能です。
ただし返済時に手数料を上乗せして返す必要があります。
返済は不足分をコンビニ・ATM・ネット銀行で行えば完了です。
チャージ金額 | 3,000円〜1万円 | 1.1万〜2万円 | 2.1万〜2.5万円 |
手数料 | 500円 | 800円 | 1,150円 |
ちなみにチャージ金額と手数料の関係は以下です。
手数料の割合の最大値は3,000円で16.7%、最小値は2万円で4%となります。
深夜のネットショッピングの際、急にチャージしたいなどのニーズを汲み取った上で実装に至りました。
アンケート調査からプリペイドカードへのチャージ金額が平均月1万円と分かり、上限金額の2万円はアルバイトで数日働くと稼げる金額からの設定です。
クレジットカード審査で用いる信用情報機関のデータベースとは関係なく、独自に新しい判断基準を用いています。
申込みは「氏名」「メールアドレス」を追加入力し、SMS認証を済ませ、チャージ金額を入力して完了です。
案内に従うと良いでしょう。
ドコモ払い
チャージは1,000円単位です。
入金手続きはWi-Fiでは無く、ドコモのモバイルネットワークに接続されている必要があります。
もう一つ注意点として、アプリ上でも案内がありますが1回のチャージ毎に別途手数料が掛かります。
チャージ金額 | 5,000円以下 | 6,000円以上 |
手数料 | 300円 | チャージ金額の6% |
手数料は1,000円のチャージで30%、5,000円のチャージで6%掛かる計算です。
ドコモ払いでチャージする場合は、5,000円以上が良いでしょう。
入金手順は案内に従います。
dアカウントのIDとパスワードを入力後、spモードパスワードまたはネットワーク暗証番号が必要です。
ビットコイン
中でも代表的な経路としてBitFlyerのサービスを用いた方法を紹介します。
こちらも1,000円からのチャージが可能です。
画像のように案内に従います。
チャージ申請をしてから20分以内に支払いを行わなければなりません。
ワンタイムパスワードの認証があります。
申込時のビットコイン/円のレートは以下でした。
インストールから設定まで
インストールからバーチャルカード発行
まずはアプリをDLしてインストールします。
IDとパスワードを設定後、生年月日と電話番号登録をして、SMS認証をしたら登録完了です。
未成年の場合は、保護者の同意にチェックを入れます。
ザックリした使い方の案内のあと、発行ボタンを押すとバーチャルカードが発行されます。
リアルカード発行から有効化
リアルカードには、「リアル」「リアル+」の2種類があります。
特徴は先述したとおりです。
リアルカードの発行
「リアル」「リアル+」はそれぞれ発行手数料として300円、600円が掛かります。
事前にバンドルカードに発行手数料分の残高をチャージしておく必要があります。
他に注意点として、「リアル+」を既に持っている場合は「リアル」を発行できません。
「リアル+」から「リアル」へのダウングレードは有効期限切れまで待つ必要があります。
別に上位カードの「リアル+」に年会費があるわけでもないので、気にする必要はなさそうです。
発行手順はこちらです。
氏名と住所を記入する必要があります。
「リアル+」の場合はさらに本人確認書類のアップロードが必要です。
手続き完了から2周間で登録住所に到着します。
リアルカードの有効化
カードが届いたらアプリ上で有効化の手続きです。
有効化すると、バーチャルカードのカード情報がリアルカードのものに置き換わります。
残高やユーザーのデータは引き継がれます。
セキュリティ対策を含むオススメ設定
当然ながら不正利用に備えて設定する必要があります。
バンドルカードはあくまでプリペイドカードであり、クレカと違いショッピング保険等の補償はありません。
セキュリティと手軽さはトレードオフなので、最終的には自分の使いやすいかたちにしましょう。
バンドルカードでは1人が利用できるアカウントは1つです。
複数アカウントの保持は規約で禁止されていて、アカウント利用制限の対象となります。
この制限は安全に利用するためのものです。
最初に知っておいて欲しい対策はアプリからカード利用の一時ロック手順の確認です。
バーチャルカードの不正利用だけでなく、リアルカードを紛失した際にも効きます。
ちなみにバーチャルカードには紛失という概念はありませんが、リアルカードを紛失した際には再発行が可能です。
発行手数料は初めての発行と同額で、「リアル」は300円、「リアル+」は600円掛かります。
ほかにセキュリティ関係で設定するものとして
- 取引通知の有無
- パスコード設定
が挙げられます。
ひとつひとつ見てきましょう。
アプリから一時ロックをかける
以下の手順で一時ロックが掛けられます。
ロック中はチャージおよび決済ができません。
またロック解除は次の手順です。
取り敢えず不正利用されたら、まずはアプリ上で一時ロックをかけて、それからサポートに連絡しましょう。
取引通知の有無
決済からリアルタイムで通知を受け取る設定にしておくと、オンラインショッピングの際にきちんとカードが切れたか確認できて安心です。
人に依りますが残高不足になると決済できないので、その確認も行えます。
セキュリティ面でも不正利用された際に通知があれば、アプリ上で一時ロックできるので取引通知のオンは必須です。
パスコード設定
- パスコード要求時間
- Touch IDまたはFace ID の有効/無効
アプリのバックグラウンドへの移動から一定時間が経過すると、カード番号の確認にパスコードを求められます。
必ず設定しましょう。
ちなみにバーチャルカードをタップすると、カード番号を表示できます。
使ってみて(読み飛ばし可)
チャージの感想
クレカでチャージしてみましたが、アプリ通知含めて残高反映が迅速でした。
手順③は3Dセキュア認証画面で、カード会社に依ります。
こちらは1.2%の高還元カードの年会費無料のリクルートカード
チャージの反映は、チャージ完了画面のスクショを撮った直後に来ました…。
今後はビットコインでのチャージもしてみようかと思います。
決済の感想
決済に関しても即時反映されました。
Amazonや楽天などのECがユーザーの利用先だということは納得できます。
一方で
- QUICPay未対応
- ICチップがないので暗証番号を要する支払いに使えない
という部分がやはりネックだと感じます。
今後のバンドルカード
創業者の八巻渉(@8maki)氏によると、カード市場では入念にカード詳細を調べ回り、利用に至るということが意外と少ないそうです。
たまたま見た広告や友人の口コミが理由で会員になる傾向が強いからです。
つまり一度ユーザーになった人達は流れにくいといえます。
バンドルカードは戦略として、ジリジリと流れを促すことも図りますが、若者のキャッシュレス入門用カードとして新規ユーザーを獲得を狙っていることでしょう。
実際YouTubeを通じて、10代では既に相当数のユーザーを獲得しています。
ちなみに10代の1ヶ月の平均チャージ単価が約7,000円で、一旦ユーザーに成ると継続的な利用を図れると見ているようです。
18,19歳が釣り上げているのでしょうが、高校生のお小遣いだとしたら羨ましい額ですね…。
バンドルカードでカードに慣れてもらってから、20,30代でも愛用されることを想定していますね。
株式会社カンムによると、実際のポチッとチャージの利用者は20〜30代が多いようです。
サポートセンターが自社運営のため、コストは多少高くてもユーザーの声を即時反映できることも強みです。
さらに会社としても、カード情報を用いたターゲティングに強みがあるので、もしバンドルカード決済での加盟店特典などが加わると、さらに利用者を増やす可能性も秘めています。
おわりに
いかがでしたか。
競合サービスがひしめいていますが、チャージのチャネル数はバンドルカードがNo.1でしょう。
また決済の面でも、海外実店舗でも使える「リアル+」に優位性があります。
やや分量が多かったので、リカットしてターゲットを絞った記事を出すかもしれません…。
今後もマイクロペイメント含めてキャッシュレス関係の情報を発信していく予定です。
以上、ひよこ(@yutotte_nambo)でした。